特別企画 Archives | DataRobot https://www.datarobot.com/jp/blog/category/特別企画/ Deliver Value from AI Tue, 12 Sep 2023 11:04:25 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 イベントレポート(1):顧客価値創業企業として変革するヤンマー。DXをどう推進し定着させているのか。 https://www.datarobot.com/jp/blog/datarobot_roadshow_yanmar/ Mon, 14 Aug 2023 03:14:12 +0000 https://www.datarobot.com/jp/?post_type=blog&p=11917 2023年6月14日、DataRobotが主催したイベント「バリュー・ドリブンAIの道はここから始まる」で、DataRobotからは生成AIのビジネス活用と可能性と題して、ChatGPT等の生成AIがビジネスに活用されつ...

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2023年6月14日、DataRobotが主催したイベント「バリュー・ドリブンAIの道はここから始まる」で、DataRobotからは生成AIのビジネス活用と可能性と題して、ChatGPT等の生成AIがビジネスに活用されつつある今、DataRobotの提供するバリュードリブン・AIと生成AIを活用することでビジネスでのAI活用に変化が生まれてきていることを紹介した。

ゲストキーノートにはヤンマーホールディングス株式会社 取締役/CDO 奥山 博史 氏が登壇し、「現場主導でお客様価値創造につなげるデータ分析・活用を」と題する講演を行った。本レポートでは、ヤンマーが取り組むデジタル戦略について紹介する。

■中期経営計画に合わせたデジタル戦略を推進する

創業111年を迎えるヤンマーホールディングス株式会社。ディーゼルエンジンの販売を祖業にし、1933年にディーゼルエンジンの小型化に成功。その後も、様々な世界初の製品を生み出し、現在ではディーゼルエンジンに加え、農業機械、建設機械、マリン関連、エネルギーシステムなどの分野で研究開発、製造、販売を行っている。

ヤンマーの中期経営計画の戦略課題のうちの一つが、デジタル基盤を整え次世代の経営基盤を作ること。そして、もう一つがこれまでの機械を販売する会社というイメージから脱却し、顧客価値創造企業に変革することだ。

さらに人材育成の方針として「HANASAKA(はなさか)」の推進を掲げている。これは、いろいろな分野の従業員が、それぞれ新しいことにチャレンジし、成長するとともに、新しい価値を作り出すこと、それを会社が全面的にバックアップすることで、花を咲かせようという考え方だ。

「会社としての全体戦略を踏まえて、デジタルという文脈においても、デジタルを駆使しないと実現できない新しい価値をお客様に届けることを最大の目標としています。そして、データに基づいた意思決定ができるような基盤やプロセス、文化を合わせて変革していくことを目指しています」

この目的の達成のために、ステップ1「スケーラブルな展開を可能とするデジタル基盤構築」、ステップ2「デジタルサービスの提供や効率性の向上による既存オペレーションの最適化」、ステップ3「デジタルを通じて新しい付加価値をお客様に届ける」ことを段階的ではなく、同時に進めていくという。

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このような方針において、次の4つを今後3−4年間で実現していく。

  1. インフラの整備とセキュリティの強化
  2. グループ全体のデータ基盤の再構築、システムの刷新によるモダナイゼーション
  3. 草の根DX活動を組織化する
  4. データ活用・分析をする

「3つ目については、デジタルに興味があって、自主開発しているような従業員を見つけて声をかけ、コミュニティに参加してもらいます。グループ全体でコミュニティを盛り上げ、参加者を集中的に教育していきます。そこで成果の出るユースケースを作り、関心の薄い人たちに紹介することで『自分たちもやらないと』と意識を変えていくことができます。他社の成功事例はピンとこなくても、隣の事業部の事例は自分ごととして受け止められます。消極的な人でも、お客様に価値を提供したい、業務を効率化したいという思いは同じなので、デジタルを使えばそれができるということをしっかりと伝えていくことが重要です」

■収集したデータを活用し、これまでにない価値を提供する

ヤンマーでは、業務分野ごとに様々なデータを収集している。そのデータを組み合わせることで、お客様に価値として提供できるアウトプットが生まれる。例えば、農業機械が田植えや収穫の最中に壊れると、農作業の時期を逃してしまうなど、大きな問題が生じる。そこで、機械の振動データなどを活用して故障を予測して、機械が壊れる前に問題の部品を修理できれば、顧客への新たな価値となる。

他にも、葉っぱの色などのデータから土壌の性質を予測して、例えば窒素分が足りない、リンが足りないことがわかれば、その予測結果をトラクターに連携して、土壌に合わせた施肥ができるように最適化できる。

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「機械販売だけではなく、農作業そのものに貢献できるようになりたいと考えています。データ分析によって最適な手法を提案できれば、収穫量の増加、肥料最適化による消費量の削減など新たな価値を届けられるようになります。加えて、我々のデータを農家が使う他のシステムに提供することで、貢献できることもあります」

■PoCに移る前に、アイデアを精査し、選定する

前述したように、同社ではデジタルに興味がある人を組織化し、コミュニティを作っている。現在は500人ほどがコミュニティに参加しており、データ活用のアイデアを募っている。同社では2022年よりDataRobotを導入し、データ活用・AI活用を進めているが、まずはDataRobot社と連携した勉強会を開催し、どんなデータがあればアイデアを実現できるかを考え、「テーマ創出アイデアシート」を使って応募する。2022年後半からこの流れでアイデアを募集し、集まったアイデアから、データがあるもの、ビジネスのインパクトが大きいものなどを選定してPoCを行う。現在すでに7つのPoCが始まっており、うち2つが現場での実装に近いところまでできている。

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「テーマ出しをするといろいろなアイデアが出てくるので、分類することが重要です。例えば、自動機械学習で解ける問題もあれば、モデルを自分で構築する必要があるもの、AIを使わなくても市販のSaaSで対応できるものもあります。今年度もすでに同じ取り組みを通して10個くらいのPoCが出てきています」

この取り組みを通して、筋の良い分析テーマが多く出るようになってきて、奥山氏は全社に浸透しつつあることを実感するという。

■現場、経営陣とのコミュニケーションと、バランス調整が必要

ヤンマーの取り組みのまとめとして、次の3つがあげられた。

「1つ目は現場。特に重要なのは、現場の責任者です。PoCを実施したけど、その後全然プロセスにのらないということがありますが、その多くが現場の責任者を巻き込めていません。

例えば、生産部の人から、工場の設備Aが壊れるので故障を予測したいというアイデアがありました。そこで、その人の上司である課長も交えて議論したところ、経営視点で見ると設備Aよりも、Bの故障のほうがラインへの影響が大きいという話がありました。こうした議論を積み重ねることで、現場の人も経営インパクトが大きいテーマを見つけ出すことができますし、改善案を出した課長にとってもプロジェクトが自分事となるので、その後の展開がうまくいきます。 反対に責任者が関わらないと、PoCが終わって効果を説明しても、押し付けになってしまうので理解が得られません。実装に至らず現場のプロセスに落ちていかないということになります」

加えて、現場とのコミュニケーションも重視している。月に1回DXに関するメッセージをヤンマーグループ社員全員が見れるデジタルのポータルサイトに上げるほか、そのポータルサイトに、現場で実施しているプロジェクトを紹介して周知するようにしているという。他に、現場報告会と称して、奥山氏自身が現場に行って、取り組み内容や成果を動画で紹介して、全体に訴求するようにしている。

2つ目が、経営陣とのコミュニケーションだ。ヤンマーグループ全体で月に1回、幹部約60人が集まる月次会議があるので、奥山氏は毎回約15分ほど、デジタルについての取り組みや現場での成果を報告している。事業部長クラスになると、現場のDXの成果について知る機会が少ないので、奥山氏が取り組みを報告することで、デジタルのマインドシェアを高めている。経営幹部のマインドシェアがあがると、中間管理層へのプレッシャーにもなる。また、奥山氏は事業部や地域のトップと定期的に会議して、現場の実践を紹介したり、表彰するような取り組みを行っている。

3つ目が文化醸成だ。一足飛びには文化は変えられないが、デジタルに興味がある人を集中的にサポートして活性化させ、ユースケースを作り横展開していく形でデータドリブン文化の醸成を図っている。

「ただし一つ成功しても、全体が変わるわけではないので、全体がどう関連しているのかを見極めて、コーディネートして、よりよいバランスを見つけ出すことが必要です。組織の反応をみながら、一つの取り組みでやり過ぎであれば調整して他のアイデアに力を入れるなど、全体のコーディネートをするのがCDOの役割です」

最後に今年度の目標や取り組みについて紹介した。

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「今年度の目標は、コミュニティに参加する部門数、人数をさらに拡大していくことです。具体的には、本社だけではなく、事業部、現場で、分析して課題解決できる人を100人以上にしたい。自分で企画をして、分析、実装できる人を育てたいです。

もう一つは、現場発だとビジネスモデルそのものを変えるような提案がでにくいので、もう少しトップを巻き込んで経営インパクトが大きいテーマを発掘したいです。そして、AI活用のコミュニティを活性化して、自発的なテーマ創出をしていきたいです」

奥山氏は、「現状は完成形ではなく、日々試行錯誤しながら改善しているところ」と述べ、講演を締めくくった。

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DataRobot公式本が出版されました! https://www.datarobot.com/jp/blog/official-datarobot-book-has-been-published/ Mon, 20 Jul 2020 05:38:00 +0000 https://www.datarobot.com/jp/?post_type=blog&p=4156 DataRobot初の公式本「DataRobotではじめるビジネスAI入門」が出版されました。本書は AI 自動化プラットフォームを利用した実用的な AI 入門書です。通常であれば長時間かかるプログラミングや専門的知識の習得を省き、それらの作業を最先端の自動化ツールに任せています。データ・AI 人材は世界的にも不足しており、日本ではさらに状況が悪いと指摘されています。一方で、ビジネスの現場を担う事業担当者の多くが Excel を使いこなすことができるように、非専門家が AI を活用していくことは既に DataRobot ユーザーの間では現実になり始めています。

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こんにちは!DataRobot のシバタアキラです。

コロナ禍において対面でのコミュニケーションが難しくなり、この状況はしばらく続きそうですので、私達もウェビナーYouTubeオンラインコミュニティーQiita などの非対面のコミュニケーションに力を入れています。またAIの民主化を目標とする私達にとって、より多くの方々にそのコンセプトと実施方法をお伝えすことは最も大切なミッションだと思っています。先日の大規模オンラインイベント、Virtual AI Experience でも告知させていただきましたが、本日ついにDataRobot 初の公式本「DataRobotではじめるビジネスAI入門」の発売を迎えましたことをご報告します!

本書は AI 自動化プラットフォームを利用した実用的な AI 入門書です。通常であれば長時間かかるプログラミングや専門的知識の習得を省き、それらの作業を最先端の自動化ツールに任せています。データ・AI 人材は世界的にも不足しており、日本ではさらに状況が悪いと指摘されています。一方で、ビジネスの現場を担う事業担当者の多くが Excel を使いこなすことができるように、非専門家が AI を活用していくことは既に DataRobot ユーザーの間では現実になり始めています。*

*本書「はじめに」より抜粋

このような現状をお伝えするために開催した昨年の AI Experience には3000人以上の方がご参加され、その時ご参加いただいた翔泳社さんから、「これはぜひ書籍にしたい」とお声がけいただき、急ピッチで出版を目指してきました。

本書を通じて私達が皆さんと一緒に取り組みたいことは、AIという新しいテクノロジーを使って、これまで解決できなかった課題を新しい角度から解決していくことです。 AI、特に機械学習を既存プロセスの改善や、未解決のビジネス課題に適用する方法を実践していただきたいと思います。データサイエンティストなどの技術的実践者だけではなく、深いビジネス経験を持った事業担当者や、AI 推進のご担当者の方にも本書を手に取っていただき、データ・AI の活用ポテンシャルを広げるための方法論を身に付け、各企業で技術活用の最先端を実践していただけましたら幸いです。*

*本書「はじめに」より抜粋

執筆にあたっては、上記イベントでもご登壇いただき、本書にも推薦コメントを頂きました滋賀大学の河本先生はじめ、多くの方にご協力をいただきました。著者は DataRobot で様々なインダストリーで経験を積んできたデータサイエンティストたちが携わり、弊社が長年実施してきた DataRobot University の入門トレーニングに基づいて執筆させていただきました。DataRobot ユーザーの皆さんはもちろん、そうでない方にも有益な情報を沢山収録していますので、是非お手にとっていただけましたら幸いです。

【参考サイト】

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[年末企画] 今年のベストAIニュース Part 2 https://www.datarobot.com/jp/blog/2019_ai_best_news_part2/ Thu, 26 Dec 2019 17:15:51 +0000 https://www.datarobot.com/jp/blog/jp-2019_ai_best_news_part2/ DataRobotブログでは、機械学習の技術ティップス、産業各界における応用事例、AI活用の組織的課題などについて今年も弊社のデータサイエンティストが精力的に執筆してきました。今回は今年一年間の振り返りとして、各メンバーが注目した、今年のニュース総集編企画を行いたいと思います!

投稿 [年末企画] 今年のベストAIニュース Part 2DataRobot に最初に表示されました。

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大変好評いただきました「今年のベストAIニュース」のPart 2となります。

Part 1と同様に今年一年間の振り返りとして、各メンバーが注目した、今年のニュースを発表したいと思います。

Blog 執筆者が選ぶAIニュース

シバタアキラ

自己紹介:DataRobotデータサイエンスチームリーダー。DataRobot歴4年。趣味はアイスクライミング。個人ブログ:https://ashibata.com

初のトランジスタ数1兆のチップを製造するためにCerebrasが克服した5つの技術的課題

大量のデータとディープラーニングを使いより高い精度の予測モデルを生成するには大量の計算リソースが必要となります。GPUやTPUを使った機械学習のハードウェアアクセラレーションはここ数年人工知能技術のフロンティアを押し広げてきました。一般的なシリコンチップはウェハーと言われる大きなシリコン基板上に数百エッチングされ、一つ一つの小さなチップに分割されますが、シリコンバレーのスタートアップであるCerebrasは、ウェハー全体を一つの巨大なチップとして製造するという大胆な発想にたどり着きました。

半導体の製造はその難しさから歩留まりが低いことで知られており、一つのウェハーから作られた多数のチップの中には不良品が複数含まれることが避けられません。つまり、Cerebrasの製造するウェハーサイズのチップにおいては、ウェハー全体の製造品質を著しく向上しなければ、正常な製品の出荷にこぎつけることができません。同社は今年その技術的挑戦を乗り越えプロトタイプの製造に成功しました。同時にこの様なチップ上でプログラムを開発し、動作させるには、独自のコンパイラーなどのソフトウェア基盤が必要になり、同社はその開発も行っています。

この様な巨大な計算リソースを使わなければ解決できない課題はなんなのか?同社で働く知人に聞いたところ、遺伝子医療の事例が上がりました。個人のDNAの特徴により、特定のがんの発がん確率に関してはかなりの精度でのリスク予測ができるケースがありますが、膨大なDNA配列の中から、発病に関連する遺伝子を発見する研究はまだ黎明期にあるといえます。多数の人間のDNAを特徴量に、特定の疾患の発症をターゲットにした機械学習は今まで計算リソースの制約からその発展には大きなチャレンジがありましたが、異次元の計算能力を持ったCerebrasのチップにはその課題解決に期待が持たれています。

オガワミキオ

DataRobot金融担当データサイエンティスト。DataRobot歴3年。趣味はサウナ・キャンプ(クライミングは引退)。

UBER自動運転が横断歩道上の人しか認識できず

「米ウーバー・テクノロジーズの自動運転車が昨年の試験運転中に歩行者をはねて死亡させた問題で、この車両には交通規則を無視して道路を横断する人を認識して反応するプログラムが組まれていなかったことが分かった。米運輸安全委員会(NTSB)が5日に公表した文書で明らかになった。」

AIがブラックボックスでは使えないというのは共通認識ですが、仮にどのように判断しているかということがわかってもその判定ロジックにリスクがないかを見逃しては問題になってしまいます。このケースでは、実験場では普通だった「横断歩道を渡る人」というのを「人」として高い精度で認識していましたが、道路交通法違反をしている人、すなわち「横断歩道外から無理やり渡っている人」は認識しづらいAIになっていました。AIの非ブラックボックス化、説明できるAIは昨今のトレンドとして研究も進んできていますが、その説明を元に正しく人が解釈して、リスクを判断することが重要になっています。

今後のデータサイエンティストの役割はどう変わるのかという質問を多く受けますが、まさにこのようなモデルの真なる性質をしっかりと把握して、手元のデータの中だけでなく、実世界の事象も想像しながら判断していくことも重要な役割となっています。モデルの精度以外の質についてもしっかりと見ていくことがいかに重要か改めて気づかされるニュースでした。

中野高文

自己紹介:DataRobot小売担当データサイエンティスト。DataRobot歴2年。趣味は旅行。

米グーグル、「量子超越性」達成と発表 スパコン超える

Quantum Supremacy Using a Programmable Superconducting Processor

2019年もGoogleはビックリな結果を残してくれました。GoogleのSycamoreと呼ばれる量子コンピューターが最速のスーパーコンピューターでも1万年かかる問題をたった200秒で行える事を実験で実証しました。これは量子超越性(古典コンピューターが解けない問題を量子コンピューターが解ける)が実験で実証された初めての事例です。

量子コンピューティングを活用した、AIの研究も進んでいます。量子コンピューターを使う事でSVMやPCAなどの計算が飛躍的にスピードアップする事が明らかになり、量子ニューラルネットワークに対する研究も活発になっています。

ただ量子コンピューターを活用したAIが現れるのはもう少し時間がかかりそうです。今回の実験は量子状態のシミュレーションを古典コンピューターにやらせると言う少し特殊な状況での優位性を証明しただけです。AIなどの一般的なタスクを実行できる量子コンピューターは非常に大規模になる必要があり、それだけのスケールアップをするにはエンジニアリングの進歩を待つ事になりそうです。

山本祐也

自己紹介:DataRobot製造担当データサイエンティスト。DataRobot歴2年。趣味はKaggle, Kaggle Profile: https://www.kaggle.com/nejumi

グーグルAI道場「カグル」の正体 世界に通じるAI人材(上)

AI人材「カグラー」大活躍 DeNA・PFN・日立 世界に通じるAI人材(下)

2019年は日本のKaggleコミュニティにとって非常に大きな飛躍になった年だったと感じています。国内でも多くの企業でKaggler達の実務における活躍が大きな話題になっていますし、slack channel kaggler-jaには12月時点で7500人が集まっており、日本人Master+Grandmasterも12月の時点でついに100人を突破したとの推計も出ています。これは世界全体での昇格率を大きくoutperformしており、国内Kaggleコミュニティの力強さを表していると言えるでしょう。さらには10月には圧倒的名著「Kaggleで勝つデータ分析の技術」が発売され、12月に日本初のKaggle公式イベントKaggle Days Tokyoも開催されるなどKaggleの盛り上がりはどこまでもとどまることがありません。2020年には一体どうなってしまうのか?目が離せませんね!それでは皆さん、年末年始もHappy modeling!

坂本康昭

自己紹介:DataRobot保険担当データサイエンティスト。DataRobot歴2年。趣味は親子レク。

How to Build Artificial Intelligence We Can Trust by Gary Marcus and Ernest Davis

2019年もAI技術が発展しましたね。採用の自動化、画像認識の自動化などニュースになりました。自動運転も話題になりましたが、みなさんは自動運転、安心して任せられますか?わたしはまだこわいです。Deep Learningなど今の機械学習はたくさんの教師データから学習して精度の高い予測ができるようになりますが、まだヒトのようにOne Shot Learningや、いくつかの例から素早く学ぶことができません。ヒトは常識やドメイン知識といったPrior Knowledgeを使用して、この問題は過去経験したあの問題と同じように解ける、と気付くことができ、よってOne Shotで学習することが可能です。この記事では、AIがPrior Knowledgeをもとにヒトのように判断できるようになるまでは、AIだけによる自動判断は安心して任せられないよね、という内容です。日本語バージョンが見つからず、英語でごめんなさい。実はこのトピックはわたしが認知科学を勉強していた頃のテーマで、著者の一人も認知科学者です。AIで、ヒトだけではできないことができる世界になりましたが、2020年も引き続きわたしたちヒトがきちんと考えてAIを使っていきましょう。

伊地知晋平

自己紹介:DataRobotヘルスケア分野担当データサイエンティスト。DataRobot歴1.5年。趣味はサックス演奏。

深層学習を活用した脳MRI分野のプログラム医療機器として国内初の薬事承認を取得し、医用画像解析ソフトウェア EIRL aneurysm (エイル アニュリズム)を発売

今年の夏まで約1年間弊社オフィスは「大手町ビル」内に間借りしていたのですが、技術系メンバーのデスクがあったオフィスのお隣がエルピクセル株式会社でした。私が前職時代一緒に仕事をしたことのあるメンバーも何人か働いていてビル内でよくご挨拶していたのですが、同社は今年大きなイノベーションを成し遂げました。ついに彼らの開発した「深層学習を活用した脳MRI画像から脳動脈瘤を検出するAI」がPMDAの審査をパスし管理医療機器として薬事承認を受けたのです。これは、そのAIが出力する結果を参考にして医療従事者が診療行為を行っても良い、とお墨付きが与えられ、日本国内でも「AIが患者さんを助けるのに有効である(臨床観点から効果・効能がある)」と認められたことを意味します。

日本は欧米などと比べて医療用画像診断装置(CTやMRIなど)の設置数が多いにも関わらず読影を担う放射線科医の数が圧倒的に不足しており、その結果、例えば脳神経外科領域では画像診断の専門家ではない脳神経外科医が自ら大量のMRI画像を読影している施設もあり、疾患の見逃しリスクや医師の負担増大が指摘されています。これらの差し迫った課題を解決するため、AIの活用による医療用画像診断プロセスの質標準化・効率化はエルピクセル社のような先駆者のリードにより今後ますます拡大・加速するものと思われます。

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[年末企画] 今年のベストAIニュース Part 1 https://www.datarobot.com/jp/blog/2019_ai_best_news_part1/ Mon, 23 Dec 2019 17:00:50 +0000 https://www.datarobot.com/jp/blog/jp-2019_ai_best_news_part1/ DataRobotブログでは、機械学習の技術ティップス、産業各界における応用事例、AI活用の組織的課題などについて今年も弊社のデータサイエンティストが精力的に執筆してきました。今回は今年一年間の振り返りとして、各メンバーが注目した、今年のニュース総集編企画を行いたいと思います!第二弾は12/27リリース。

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まえがき

2019年も残すところわずかとなってきました。今年もAI/機械学習の技術発展は著しく、またこの技術がビジネスにとどまらず、広く社会に適用されることによる新たな社会問題なども報道されるようになりました。DataRobotにおいても、年次のAI Experienceイベントに過去最高の来場者を記録するなど、引き続きデータ・AI活用へのかつてない注目の高さを実感しています。

DataRobotブログでは、機械学習の技術ティップス、産業各界における応用事例、AI活用の組織的課題 などについて今年も弊社のデータサイエンティストが精力的に執筆してきました。今回は今年一年間の振り返りとして、各メンバーが注目した、今年のニュース総集編企画を行いたいと思います!まずは注目のニュース第一弾です。第二弾は12月27日(金)リリース予定です。こちらも合わせてご覧ください。

Blog 執筆者が選ぶAIニュース

ナカヤマハルユキ

自己紹介:DataRobot流通・小売・外食担当データサイエンティスト。DataRobot歴1年。趣味はランニング。

グーグルが「肺がん診断AI」、3D画像認識の威力を知らしめた

個人的に医学やスポーツにおけるAIの活用に興味があり、立体の画像処理技術によりCTスキャンの画像を使った肺がん検出率が放射線技師並になったという記事に注目しました。

1枚のCTスキャンの画像から初期の肺がんを見つけるのは難しいです。血管と見分けがつかないからです。連続する複数の断面の画像を見て、連続性が途切れることを確認して、はじめてがんであると推察することができます。今回、これまで動画の動きの抽出に使われてきた3次元(2次元画像+時間)のConvNetを立体の画像解析に用いることにより、検出率が向上したとのことです。ただ、記事には書かれていませんが、一般のCTのスライス間隔は5mmで、基本的にこれ以上の大きさにならなければ、いくら技術が進化しても、検出するのは難しいです。精密検査時の1mm間隔をデフォルトにするなど、検査の仕方から見直す必要があるかもしれません。いずれにしても、これまで2次元の画像処理ではできなかったことができるようになる期待があります。

グザビエフォンテーヌ

自己紹介:DataRobotデータサイエンティスト。小売業界担当。趣味は日本食。

人工知能が「スタークラフト2」で人間に勝利、その闘いから見えた機械学習の次なる課題

DeepMind StarCraft II Demonstration

皆さんは年末年始どのような予定を過ごしますか。実家へ帰省する方、海外で過ごす方、様々いるかと思います。人が一堂に集まるこの時期、皆でゲームを楽しみ素敵な時間を過ごす方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今年人工知能が、リアルタイムストラテジーゲーム「スタークラフト2」で世界チャンピオンを打ち負かしたをことをご存知ですか。AIが人間を打ち負かすという話は、ここ数年チェスや囲碁で話題になりましたが、囲碁より複雑なゲームでのAIの勝利は大きな進化といえます。
2019年1月24日、アルファベット傘下のDeepMindが開発した人工知能ボットの功績がYoutubeでリリースされました。これは機械学習の十分なデータ量とコンピューターの処理能力さえあれば、特定の課題がどんなに複雑であっても解決できるという新たな証明になりました。
ただし、新しいスタークラフトマップ、またはスタークラフトの最初のバージョンで、そのAIボットは人間に勝つことは出来ません。なぜなら、そのAIに学習させた過去データと予測に使うデータに含まれているパターンが異なるからです。
自動運転などの他の分野でも同様の問題が見られ、人工知能はまだまだ汎用人工知能(Artificial General Intelligence: 人間レベルの知能の実現を目指したAI)のレベルに達成出来ていないことを示しています。汎用人工知能は今後数年間の焦点となるでしょう。

緒方良輔

自己紹介:DataRobotデータサイエンティスト。CPG担当。サイケデリックミュージックが好き。

FacebookやMicrosoftなどがディープフェイクの検知ツール開発コンペを開催

正直に告白すると、今年のはじめ頃に、Deepfakeで作られたトランプ大統領のおもしろ動画で腹を抱えて笑ったことがあります。反省しています。

ディープフェイクとはディープラーニングを利用した、複数の写真や動画の一部を合成する技術です。これを用いると、本物にしか見えないような偽(フェイク)動画や写真を作成することが可能になってきています。技術の利用も簡単になっており、現在は閉鎖されていますが、2019年前半ごろまでは誰でも簡単に上記の技術を無記名で利用可能なプラットフォームもネット上に公開されていたようです。

昨今はこれを悪用して、政治家や著名人を題材にしたネットミームを作ったり、さらに悪質ないたずらに用いることで問題視もされています。また問題をさらにややこしくしているのは、最近の技術進捗により、この偽動画や画像を事後的に偽と見破るのが非常に難しい点です。機械学習コンペサイトKaggleで開催された新たなコンペDeepfake Detection Challengeは、こうした偽画像を検出する、より精度の高い検出ツールを開発する目的があるそうです。

判別できないほど高精度な偽画像を作成する機械学習の進歩にも驚く一方で、悪用される技術を駆逐するのもまた同じ機械学習となることと思います。なんだかマッチポンプみたいだなぁとも思いますが、こうやって技術というのは進歩していくのかというサイクルを1年で見ることができて、感慨深い気持ちになったニュースでした。

川越雄介

自己紹介:DataRobotデータサイエンティスト。製造・ユーティリティー業界担当。趣味は楽器演奏。

AWS、ディープラーニング向け自動作曲キーボード「DeepComposer」を99ドルで予約開始

普段からYAMAHAのピアノやRolandの電子キーボードで遊んでいる私。「あのAWSが電子キーボードを!?」タイトルを斜め読みしてまずはそう驚いてしまいました。

今年急速に注目を集めだした敵対的生成ネットワーク(GAN: Generative Adversarial Networks)。これまでAIは「認識するための技術」として画像や文章を認識することが主流でしたが、GANのような生成系のAIは実在しない新しいデータを作り出すことができます。応用範囲は文章、画像、音声、動画と幅広く、特にクリエイティブ系での実用が期待されています。今回注目したAWSの自動作曲キーボードは、まずメロディーをこのキーボードから入力し、次に好きなジャンル(ロック、ポップ、ジャズ、クラシック、ユーザーによるオリジナル)を選択すると、AIがピアノ、ギター、ベース、ドラムの演奏を自動でつけてくれて新しい曲を「作曲」できるというものです。(メロディーは自分で作らなければならないようなので、個人的にはこれは「編曲」ではないかと思っているのですが(笑)。)

プレゼンテーションによれば、この「作曲」にGANが使われているようです。GANには「ジェネレーター」と「ディスクリミネイター」という2つのディープラーニングのネットワークが登場します。ジェネレーターは自然に聞こえる良い音楽を作り出そうとする一方で、ディスクリミネーターはそれが本当に良い音楽かどうかを評価する役割を担います。この関係は「敵対的」との言葉が示すように、通常は偽物を作り出す犯人と、それを見抜く探偵に例えられることが多いのですが、このAWSのプレゼンテーションではそれを「演奏者」と「指揮者」の関係に例えてあり、とても素敵ですね。

敵対的生成ネットワークもクリエイティブ系の世界に素敵な恩恵をもたらしてくれるだけであればよいのですが、一方で偽物が本物を出し抜くためにこの技術を使う動機が生まれてしまうのは残念ながら否めません。その例として、前の記事で弊社の緒方がディープフェイクを、次の記事で菅原がフェイクニュースを取り上げていますので、併せてぜひお読みください。

菅原功

自己紹介:DataRobotデータサイエンティスト。製薬業界をメインで担当。趣味は読書とカラオケ。

「危険すぎる」と話題の文章生成AI「GPT-2」の最新版がリリース、実際に使えるデモサイトも登場

TeslaのCEOイーロン・マスク氏が出資しているOpenAIが開発したテキスト生成ツール「GPT-2」。文章を少し入力するだけで、その後に続く文章を自動で生成してくれると言うものです。AIが作詞や作文などを人間の代わりにしてくれる技術として大いに話題になりました。

OpenAIはこの技術は悪用される危険が高いとして、論文の公開を遅らせていました。それは非常に簡単に「それっぽいデマ」、つまりフェイクニュースを作成出来ると考えられたためです。GPT-2はレベルの低いものから段階的にリリースし、社会的な影響を見ながら公開を進めていました。それがいよいよ最終版をリリースした、と言うのが上記のニュースです。

そんなGPT-2を簡単に試すサイト”textsynth”もニュース内で紹介されています。

早速私も下の文章で試してみました。

”DataRobot gives you the power of AI to drive better business outcomes.

DataRobot will be”

(DataRobotを使用すると、AIを使用してビジネスの成果を向上させることが出来ます。DRは、・・)

と記載し、後はGPT-2に続きの文章を作ってもらいます。

さあ、結果を見てみましょう。

ーーーーー

DataRobotは、データの力を組み合わせて顧客満足度、収益の増加、ROIの向上を実現するスタンドアロンのAIプラットフォームです。

DataRobotは、データを分析し、データインテリジェンスと意思決定を改善するための新しい機会を見つける方法を提供します。

AIエキスパート、エンジニア、データサイエンティストのチームを編成して、データインテリジェンスなゴールを達成できるようにします。

これにより、よりパーソナライズされた予測的でかつスケーラブルなエクスペリエンスが提供されます。

DataRobotを使用すると、次のものが得られます。

  •  ビジネスにデータを使用する自由
  •  データを活用して顧客体験、収益、ROIを向上させる機会
  •  新しい洞察、より良い意思決定、生産性の向上のためにデータを使用する機会
  •  他の業界、新しい市場、新しい顧客の問題を解決するためにデータを使用する可能性

私たちと共にAIソリューションのグローバルリーダーに参加しましょう。

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どうでしょうか?なんだかすごくそれっぽい文章を勝手に作ってくれました。念のためですが、上記はDataRobotの正式なメッセージではないですよ!

ちなみに実行するごとに結果は変わります。この後何回か試した結果、DataRobotのファンが登場して成功体験を話し出したり、Steve Pendergrassなる謎の人物がCEOを名乗りながら今後のビジネスを語り出したり、温かな朝食とベッドを安価で提供し始めたりしていました。

笑い話にもなる反面、確かにフェイクニュースがネット上に氾濫することは現実になると感じます。ネットリテラシーなんて言葉が叫ばれて久しいですが、人間はより情報ソースの信頼性を意識しながらインプットが求められる時代になりそうです。

ちなみにOpenAIは、こうしたAIが作成した作文を高精度で見分けるAIも開発しているとのこと。AIによって作られる不利益をAIで解決する、なんて活用用途も今後増えていくかもしれませんね。

コウザイテツヤ

自己紹介:DataRobot金融担当データサイエンティスト アソシエート。趣味はサッカー。

未来のサッカーは二つに分かれる。VAR経由でAI審判へ

2018年に開催されたサッカーW杯ロシア大会において、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)と呼ばれる主審が試合中にピッチ上で起きた事象について映像を用いて確認するシステムが初めて導入されたことは記憶に新しい。日本のJリーグにおいても2020年シーズンからVARの導入が決定した。

そんななか、近年サッカー界では目まぐるしくルール改正が行われており、サッカーからAI化へ歩み寄っているかのようなルール改正が話題を呼んでいる。例えば、これまでハンドのルールは「意図的にボールに手で触れたか否か」が唯一の焦点だったが、2019-20の競技規則改正ではケース毎に条件が細かく切り分けられ「どの状態で手に触れたか」が焦点となっている。つまり、審判の主観の範囲が狭められ、0と1でデジタル判断できるルールに変わってきている。私はこれまでサッカーやバスケットボールなど人間の主観的な判定が多いスポーツにおいては審判のAI化が難しいだろうと感じていた。しかし、今回のルール改定のように既存のルール・仕組みを見つめ直し、機械やAIに寄り添うことでAI化を実現できるのではと最近は感じている。

これらのことはスポーツに止まらずビジネスでも同様のことが言えるのではないでしょうか。「この業務はAI化に向いていない」、「データが存在しないから実現できない」という思い込みを捨て「どうしたらAIに寄り添えるか」、「どうしたらデータ化できるのか」と考え直すことで、これまでAIによる自動化・効率化が不可能であった場面においてもAI化を実現できるのではないかと考える。そういった既存の仕組みをゼロベースで考え直し、新たな枠組みで再構築する知的生産活動こそがこれからのビジネスパーソンに求められる仕事なのではないかとこの記事から感じた。

マツモトタカヒロ

自己紹介:Data Science Associate. 元バックパッカー。現大学院生。

Uber、ロンドンでの営業免許を更新できず–安全面に懸念

Uberがロンドンでの営業許可が更新されなかった事例で、その背景は過去数ヶ月で14,000の乗車が不正ドライバーにより行われたものと判明したため、安全上の理由から営業すべきでないと当局(TfL)に判断されたというものです。これにより、4万5000人のドライバーと、350万人のライダーに影響がおよぶ可能性があります。

UberがTfLによりロンドンで営業許可が更新されないのは今回で2回目で、appealしている期間は、判決が確定するまで営業を続けることができますが、ロンドンのような非常に大きなマーケットで、不正ドライバーを理由に営業ができなくなるということはあまり聞いたことがありません。ロンドンには非常に数多くのUberでの乗車がありますので、過去数ヶ月での14,000の乗車は全体に対する割合としては大変小さいのですが(もちろん判明してない分もあると思いますので、実態はこれ以上の可能性はあります)、これを根拠に営業許可が更新されないことは、ビジネス上、機械学習による二値分類を実ビジネスに適用させることの難しさを考えさせられます。

Uberでは安全対策の一環で、無作為にドライバーに顔写真の撮影を求め、画像認識を行い、リアルの本人であるかどうか機械学習を用いて、本人かどうか確認します(例えば、本人の写真でないかなど)。本人と判定されないと一時的にアカウントが凍結されるなどの処置が取られます。これは、ドライバーからすると機会損失含めてコストが大きく、Uberとしてもオペレーションコストや逸失利益の増大もあります。そのため、安全対策と利便性のバランスが求められます。偽陽性も偽陰性もコストが高く、社会的なインパクトも大きい場合には、適切なしきい値の設定には非常に高度なビジネス判断が求められる例だと思います。

小島 繁樹

自己紹介:DataRobot CFDS。趣味はダイビング・バイク・サウナ。

Google 量子超越性を達成と発表

SIerのSEとして仕事をスタートした2000年当初(だいたい20年前)、「いつか、手のひらにTB級のストレージが乗る日が来る」といった話はまだ笑い話でしたが、当時の上司から「技術の進化で世界、仕事のあり方は変わるんだよ」という話をされたのを覚えています。

このニュースを見た時、その会話の中で「量子コンピュータが現実になると、科学技術計算で利用されているXX億円のサーバのあり方も変わるだろうね」という話もしたことを思い出しました。

「量子コンピューターは、実用性に大きな制約を抱えている。量子情報処理の基本単位である量子ビットは、攪乱されやすいため、絶対零度からコンマほどしか高くないというほど超低温の複雑な冷却ユニットに格納しておかなければならない。コアハードウェアを取り扱うために動作を停止するには、損傷せずにシステムの温度が上がるまで2日以上かかるし、再起動のときも超低温になるまでまた2日かかる。量子コンピューターがノートPCのサイズになる日は、そう簡単には来そうにない」

“まだ特定用途にしか使えない”   “運用はそう簡単ではない”

発展途上な点ももちろんありますが、現在のコンピュータも黎明期には特定用途でしか利用されていない、運用がとても大変だったものです。今では手のひらの中で稼働する世界になりました。

技術の進化は連綿と、そして確実に続き、ふと気づいた時には「手のひらにTB級のストレージ」という日が来ていて、世界や仕事が大きく変わっているのだろうと思います。そういった技術による世界の変化にふと気づかされるニュースではないかと思います。

投稿 [年末企画] 今年のベストAIニュース Part 1DataRobot に最初に表示されました。

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