本シリーズの Part 1(英語のみ)と Part 2 (英語のみ)では、現代のデータサイエンス技術、特に機械学習が、金融市場の参加者にとって興味深い理由について考えました。また、機械学習を自動化することで、機械学習の敷居が低くなる、規制関連部門が機械学習を受け入れやすくなる、経験豊富なクオンツ、ストラテジスト、金融データサイエンティストがリターンの探求において生産性と効率性が大幅にアップするのはなぜなのか、その理由を調べ始めました。
しかし、これは実際にはどういう意味でしょうか?JPモルガンの DeepFin シリーズと Open Data Science Conference のために作った「おもちゃ」のようなクオンツファイナンスの問題を使って説明するのがベストかもしれません。配当予想の引き下げがその後の株価に与える影響について、過去10年間に世界の株式市場で下方修正が行われた約5万件の事例を用いて検証しました。従来のクオンツファイナンスでは、これは連続値として定義されるかもしれません(配当予想の引き下げ幅を基準とした3か月分の先渡し利益、など)。または、この問題を経験則として考えることもできます。株式の配当予想が10%引き下げられた場合、どのような行動が予想されるでしょうか?
機械学習の自動化では有名な「猿のダーツ投げ」の AI 版が作られているだけではないのかという疑問をお持ちなのもよくわかります。どうしたら、機械学習で構築され、特定されたモデルを自信を持って一般化できるでしょうか?来週投稿するブログでは、モデルを構築する際のベストプラクティスや、それを機械学習のアプローチに確実に組み込むことの重要性、DataRobot による機械学習の自動化が機械学習モデルの構築と検定の両方のベストプラクティスを確保する上でどのように役立つのかを考えながら、詳しく検証していきます。
DataRobot の金融市場向けデータサイエンスプラクティスのリーダー。クライアントであるフィンテック企業、銀行、資産運用会社と緊密に連携し、業界をリードする DataRobot の機械学習自動化プラットフォームにおいて数多くの高 ROI ユースケースを実現。 DataRobot に入社する前は、モルガン・スタンレー、ウォーバーグ・ピンカス、ゴールドマン・サックス、クレディ・スイス、ランズダウン・パートナーズ、インベスコなどの投資銀行や資産運用会社にて、定量調査、ポートフォリオ管理、トレーディング、リスク管理、データサイエンスの職務で25年の経験を積む。また、新興のグローバル株式ヘッジファンドで数年にわたり共同経営者を務める。ロンドン大学シティ校でデータサイエンスの修士号、クランフィールド大学スクールオブマネジメントで MBA、ウォーリック大学で会計・財務分析の学士号を取得。 執筆した論文「Hunting High and Low: Visualising Shifting Correlations in Financial Markets」が、Computer Graphics Forum 誌2018年7月号に掲載された。