(このブログポストはHow To Democratize AI in Popular Analytics Tools Part 1の参考訳です)
会社全体でAIの潜在能力をフル活用するには、お使いのアナリティクスツール、プロセスおよびアプリケーション内でDataRobotの機械学習自動化モデルを民主化する必要があります。各社員がAIを利用できるようにすることで、最終収益を改善できます。このシリーズでは、お使いのアナリティクスツールにDataRobotの機械学習モデルを組み込む際、使用できる各種オプションをご紹介します。 それでは、AIの民主化について詳しく見ていきましょう。
AIで約束されている機能を実現する
既存のETL/データパイプラインにスコアリングを追加し、結果をデータベースに保存して、一般的なアプリケーションやBIツールからアクセスできるようにするのが、予測インサイトを合理的に民主化する上で最も一般的な方法の1つです。私個人としては、可能な限りこのアプローチを選択します。このシナリオでは、社内の既存のガバナンス、データセキュリティ、変更履歴、バージョン管理等の信頼できるレポートプロセスにDataRobotを追加します。
データパイプラインにDataRobotを追加するには、まず予測モデルを構築し、デプロイオプションを選択してから、DataRobotで生成されたコードをETLプロセスに追加します。DataRobotのREST APIを使用すれば、ほぼすべての最新ETLツールからデータのスコアリングが可能です。Alteryxをお持ちであれば、データのモデリングとスコアリングはもっと簡単です。DataRobot Automodel and Predict toolsを使用できます。
その他の場合、ご使用のデータ可視化ツールで予測モデルの結果とチャートを確認すると良いでしょう。こうしたシナリオでは、DataRobotのAPIコールでバッチスコアリングやリアルタイムでのスコアリングが必要になります。 通常、これらオプションに制限はありません。
DataRobotのAPI ー REST、R、Python等
DataRobotで構築されたモデルはどれも、コードが事前に構築されていて、本番環境ですぐに使用できるため、予測結果を迅速に取得できます。長々とした予測コードを自分で作成したり、インフラストラクチャを管理したりする必要はありません。多くのデータ準備ツールやアナリティクスツールですでにRやPythonを使用できるため、まず、DataRobotで予測した結果や可視化した内容をDataRobotのAPIで追加するかどうか検討すると良いでしょう。
Microsoft Power BIでのPythonスクリプトによるクエリ手順内のDataRobot REST API
リアルタイム予測、オフライン予測、バッチデプロイ、そしてHadoopでのスコアリングの要・不要を問わず、機械学習モデルを本番環境で簡単に運用化できます。弊社カスタマーフェイシング・データサイエンティストが、各種APIオプションをご案内できます。プログラミングに慣れている方であれば、Jupyter Notebook、R Studio等、普段使用しているスクリプトツールで新たにDataRobotのライブラリを参照して、使用可能なAPIを確認できます。
DataRobotのPython API
コーディングが苦手な方のために、DataRobotでは、コード不要の簡単なサードパーティーコネクターおよびパートナー拡張機能をご用意しています。以降では、こうしたコネクターや拡張機能をご紹介します。
DataRobotのExcelアドイン
最初に、CDataのDataRobot用Excelアドインをご紹介します。 CDataが提供するDataRobot用Excelアドインにより、DataRobotによるCSVファイルのバッチスコアリングをExcel内で簡単に実施できます。アドインのインストール後、DataRobotの認証情報とファイルのパスを入力し、スコアリングで使用するデプロイモデルを選択します。予測の実行と結果の保存はExcelで実施されます。
CDataのDataRobot用Excelアドイン
このアドインを使用すると、データスコアリングだけでなく、プロジェクト、モデルおよびデプロイモデルのリストを取得できます。ただし、現在のところ、このCDataのアドインはWindows環境でのみ使用可能です。Macをご使用の場合は、MacでのODBC設定手順をご参照ください。
CDataのDataRobot用ODBCコネクター
DataRobot用ODBC/JDBCコネクター
また、CDataのBI/ETLツール用DataRobot OBDC/JDBCコネクターを使用しても、ETLまたはBIツールのファイルでコード不要のバッチスコアリングが可能です。 このオプションはWindows、Mac、Linux、Unixの各システムで使用できます。以下の図では、ODBCコネクターとそれを使ったNathan Patrick Taylorのアイディア(Nathanはカスタマーフェイシング・データサイエンティストです)を紹介しています。これは、Microsoft Power BIギャラリーで公開されました。
DataRobotでの予測をMicrosoft Power BIのダッシュボードで使用
Tableau + DataRobot
TableauではDataRobotを簡単に使用できます。分析対象のデータに効率よく注力し、ダッシュボードで予測インサイトとその説明を入手して、シミュレーションを実行できるため、次にやるべきことについて実用的な指針を得ることができます。以下に示すのは、ウェビナー「DataRobot and Tableau in Action:A Zen Master’s View」でご紹介したDataRobotのAI主導ダッシュボードの例です。 このダッシュボードは、Tableau Publicのインタラクティブビューでも使用できます。
Tableau + DataRobot 再入院防止ダッシュボード(Teknion Data Solutions作成)
また、予測モデルを可視化することで、モデルの性能を向上することもできます。弊社カスタマーフェイシング・データサイエンティストが作成した例を以下に示します。
DataRobotのWhat-If拡張機能があれば、さらに一歩踏み込んだ分析が可能です。管理対象のDataRobot予測モデルを使用した各シナリオの実験、シミュレーションおよび比較をTableau上で実施できるため、リソースを投入する前に最善策を特定したり、アイデアをテストしたりすることができます。
DataRobotのTableau用What-If拡張機能
DataRobot Starter Kit for Tableauにサインアップすると、TableauでのDataRobotの使用方法について詳細およびステップバイステップのチュートリアルを入手できます。
Qlik用拡張機能:Qlik2DataRobot
Qlik社による弊社の最新のパートナー拡張機能がQlik Sense用Qlik2DataRobotコネクターです。Qlik2DataRobotサーバーとクライアント側の拡張機能により、QlikのユーザーはQlikのデータをDataRobotのプロジェクトに取り込んで、モデルを作成できます。また、Qlik Loadでスクリプトを使用してデータをスコアリングすることで、予測結果を可視化したり、フィルターを設定して独自のwhat-ifシナリオを作成したりすることができます。
Qlik2DataRobot拡張機能
詳細情報
本記事では、ポピュラーなアナリティクスツールでAIを民主化する方法(その1)をご紹介しました。関連シリーズのウェビナーをぜひご視聴ください。他の事例でのAI主導ダッシュボードや、一般的な民主化オプションのライブデモをご覧になることができます。
今後お届けする記事では、DatabricksでDataRobotのAPIを使用する方法 、Hadoopでのスコアリングの概要、MicroStrategyのmstrio-py(Python用データI/O)入門、UI PathやAutomation AnywhereのRPAツールにDataRobotのボットを追加する方法をご紹介いたします。インテグレーションのアイデアをお持ちの方、あるいはDataRobotの既存のパートナーオプションについて理解を深めたい方は、私にご連絡ください。
筆者紹介
プロダクトマーケティング担当シニアディレクターJen Underwood(ジェン・アンダーウッド)は、マイクロソフトにおいて全世界のアナリティクス製品を統括し、システム実装を専門とする企業数社においてテクニカルリードとしての業務経験を持つ。エンタープライズデータのウェアハウジング、レポートおよび高度なアナリティクスを対象とした新製品の立ち上げとプロジェクトの立て直しに携わる。現在は、製品の設計を担当するとともに、新たなセグメントであるシチズンデータサイエンスにおいて、アナリティクスの専門家が機械学習 で複雑な問題を解決できるよう助言・指導を行っている。ウィスコンシン大学ミルウォーキー校にて優秀な成績で経営学士号(マーケティング)を取得。カリフォルニア大学サンディエゴ校にてコンピューターサイエンスの準修士号(データマイニング)を取得。
執筆者について
小幡 創(Hajime Obata)
プロダクトマネージャー
DataRobot プロダクトマネージャー。2018年から DataRobot に参加。DataRobot 製品に関するフィードバック収集と新規開発計画への反映、新機能・新製品のベータプログラムやローンチ、トレーニングやマーケティングを通じた普及活動、ローカライゼーション管理、などを通じて、AI と DataRobot の価値を日本に広く広めるための業務に従事。
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