(このブログポストは Introducing the DataRobot AI Cloud: A Closer Look の和訳です)
約 2 年前に DataRobot に入社して以来、幸いにも私はユーザーやお客様と会い、そこから学ぶことに多くの時間を費やしてきました。これまでに、職務上の枠を超えたチームやユーザーをサポートする AI の必要性について何度となく耳にしています。たとえば、多様なデータソースを統合する機能の提供、AI ソリューションをどこにでもデプロイできる柔軟性の提供、AI ドリブンな意思決定と Snowflake、Salesforce、ServiceNow などの既存のビジネスアプリケーションやサービスを直接連携するために必要な機能サポートなどが挙げられます。中でも最も重要なことは、これらすべてを単一の環境で行うことができるように統合することです。
本日、DataRobot AI Cloud のリリースを発表できることを嬉しく思います。これは、明快かつ強力な予測を実現し、あらゆる組織のビジネス上の意思決定を後押しする、DataRobot 初のエンドツーエンドの統合プラットフォームです。
DataRobot AI クラウドプラットフォームは、約 10 年にわたる先駆的な AI イノベーションの集大成であり、このソリューションを市場に投入するためのエンジニアリングに 150 万時間を費やしました。私たちは、世界中の DataRobot にデプロイされた 100 万以上のアクティブなプロジェクトの成果に基づいて、プラットフォームを改善してきました。長年にわたる学習に基づいて、DataRobot AI Cloud をモジュール化し、その柔軟性と拡張性を高めて、現代の組織でますます複雑化する状況に対応できるようにしました。
このプラットフォームは、お客様が重視する内容に基づいて、それぞれの組織に特有のメリットをもたらします。メリットが得られるそれぞれの領域を詳しく見ていきながら、7.2 リリースの DataRobot AI クラウドプラットフォームについて説明します。
あらゆるユーザー向けの単一プラットフォーム
2012 年のDataRobot 創業以来、私たちは AI の民主化に尽力してきました。現在、データサイエンティスト、アナリティクスの専門家、ビジネスユーザー、IT 担当者など、あらゆるユーザー向けのプラットフォームを構築しています。一方で、DataRobot AI クラウドプラットフォームの特徴は、各ユーザーのさまざまなスキルや能力に合わせた専用のエクスペリエンスをすべて、統合された単一の環境で提供することにあります。このマルチモダリティにより、すべてのユーザーは、ノートブック、Web UI、ソリューションアクセラレーター、モバイルプラットフォームなど、ツールをシームレスに切り替えながら最も生産性の高いお気に入りのツールを使って作業することができ、部門間の垣根を越えたコラボレーションを実現できます。
あらゆるソース、あらゆるタイプのデータに対応
今日の実情として多くの組織では、多種多様なデータソースやデータ形式によりサイロ化した環境を抱えている、と DataRobot は捉えています。しかし、DataRobot AI Cloud を導入すれば、あらゆるソースのあらゆるタイプのデータ、具体的にはデータベース、データクラウド、クラウドストレージシステム、エンタープライズアプリなどに含まれる重要な情報をまとめて包括的に把握し、ビジネスを推進できます。さらに、DataRobot はあらゆる非構造化データに対応しているため、表形式のデータを同じモデル内のテキスト、画像、地理空間情報と組み合わせることができます。
AI ライフサイクル全体にわたるエンドツーエンドの統合プラットフォーム
DataRobot AI Cloud は、継続的に学習する統合環境で、ストレートスルーによるコーディングと自動化、またはこれらを組み合わせたアプローチを提供する市場で唯一のプラットフォームです。DataRobot は現在、視覚的かつコードを駆使したデータ準備とデータパイプラインに加え、構成可能な Automated Machine Learning(AutoML)を提供しています。これは、ホストされたノートブックやグラフィカルユーザーエクスペリエンスで活用できます。MLOps は、実稼働モデルの継続的なライフサイクルの監視と自動管理に必要となる重要なプロセスを自動化し、現場の意思決定者のための AI を活用したアプリケーションを提供します。
場所を問わず大規模なデプロイ、運用が可能
DataRobot は、パブリッククラウド、データセンター、およびエッジ環境を自由に組み合わせて実行できる柔軟性と、ビジネスに対する保護と高いセキュリティを実現するための運用とガバナンスを提供します。マルチクラウド方式では、モデルのトレーニングとデプロイを、それぞれ別のクラウド環境で行うことができます。DataRobot は、AWS、Google Cloud、Azure、VMware などの主要なクラウド企業と提携し、場所にかかわらずモデルをデプロイして運用するために必要な柔軟性とガバナンスを確保しています。
既存の投資を基盤としたモジュール化と拡張
独自性のない組織はありません。AI を成功させるには、すでに導入されているテクノロジーエコシステムと連携する必要があります。そのため、DataRobot AI Cloud を、お客様の特定のニーズに基づいて、お客様のペースで活用できるモジュール型コンポーネントセットとして構築しました。組織は、サードパーティ製ツールで構築およびデプロイしたモデルを取り入れ、AI 戦略の拡大や新しいチームの関与に応じてサービスを追加し、DataRobot の堅牢なパートナーエコシステム(英語)を活用して一般的な外部アプリケーションやサービスと直接統合できます。
最後に、DataRobot 7.2 では AI クラウドプラットフォームを進化させる新機能が追加されました。Composable ML のようなコードファーストのデータサイエンス専門家のための強力な新ツール、パフォーマンスを大規模に管理する Continuous AI とバイアス監視、現場の意思決定者に AI を提供する意思決定インテリジェンスと呼ばれる業界初の機能など、100 近くもの新機能が用意されています。この画期的なリリースについては、こちらのブログ記事「リリース 7.2 で進化した DataRobot AI Cloud の新機能」で詳しくご紹介しています。
DataRobot AI Cloud のビジョンとロードマップについて詳しく知りたい方は、11月19日(金)に開催が予定されている AI Experience Virtual Conference 2021 Fall にご参加ください。
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執筆者について
Nenshad Bardoliwalla(ネンシャッド・バドリワラ)
Chief Product Officer(CPO)
Nenshad Bardoliwalla は DataRobot の最高製品責任者として、製品戦略、製品管理、製品設計、カスタマーエクスペリエンスを全社的に統括しています。Paxata 社で共同創業者兼最高製品責任者を務めた後、2019 年に Paxata 社の買収に伴い DataRobot に入社しました。それ以前は、Hyperion 社および Siebel Systems 社での勤務を経て、SAP 社で企業業績管理向けの製品管理、製品開発、およびテクノロジーを担当するバイスプレジデントを務めました。現在は、家族と共にカリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアに在住しています。
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