(このブログポストは A Deeper Look: DataRobot Core for Expert Data Scientists and 7.3 Release の和訳です)
2022 年も、はや 2 ヶ月が過ぎようとしています。2021 年は、AI Cloud や主要業界向けの新しいソリューションの導入から、顧客向けに数百もの新機能をオンラインで提供し、複数の新たなテクノロジーやチームを連携して、顧客向けのアクティブな AI プロジェクトの数が 100 万を超えるという信じられないようなマイルストーンを達成するなど、あらゆる面で飛躍的な 1 年となりました。
しかし、私たちが歩みを緩めることはありません。DataRobot は 2022 年も引き続きお客様にフォーカスした取り組みを続け、その一環として、コアコミュニティを対象とした AI Cloud の機能強化と、リリース 7.3 プラットフォームおける画期的な新機能の導入を行いました。
上級データサイエンティスト向け DataRobot Core:コーディング中心の作業で迅速な構築と大規模な導入を実現
DataRobot Core は、目的に応じたテクノロジーをデータサイエンティストに提供する包括的な製品で、データサイエンティストがコーディング中心の作業で強力な AI ソリューションをすばやく組織に導入できるようにします。また、優れたテクノロジーを提供するだけでなく、包括的なリソースとして、ドキュメンテーションやサードパーティーとの連携機能を提供するほか、DataRobot の数百人の先駆的なデータサイエンティスト、および世界中の顧客企業やコミュニティに属する数千人のデータサイエンティストが持つ比類のない専門知識を活用できる独自の機会を提供しています。
AI を民主化してあらゆるユーザーが利用できるようにするというビジョンは、DataRobot の DNA の中核を成しています。DataRobot Core では、コーディング中心の作業を好むデータサイエンティストに、それぞれのスキルや能力に適した世界トップレベルのソリューションを提供していますが、分析チーム、ビジネスアナリスト、IT 部門などが、今後もチームスポーツのように一丸となって AI を活用することも可能です。
DataRobot Core は、きわめて重要な時期に市場に登場しました。今日の AI は紛れもなくミッションクリティカルです。収益の拡大を促し、ビジネスオペレーションのコストと非効率性を削減し、リスクを最小限に抑えることができます。こうした実績により、AI の需要が急増しています。それに伴って、データサイエンスチームには、明確なビジネス成果をもたらす AI を迅速に本番環境に提供することが求められています。
しかし同時に、企業の中核的な要件を満たす必要性が高まっており、安全で信頼性が高く、適切に管理および監視された強力で拡張性の高い AI の実現が欠かせない状況となっています。そのため、AI を構築するチームへの要求は高まるばかりです。チームが人材の採用を増やしているにもかかわらず、デプロイまでの時間を短縮できないのはこれが理由です。私たちが最近行った調査(英語)によれば、きわめて高度なトレーニングを受け、高い専門性を持ったチームでさえ、いまだに労働時間の 50% をデプロイに費やしているケースが見られました。彼らは、付加価値を高めたり、データサイエンスの複雑な問題に取り組んだり、ビジネスに成果をもたらしたりするために費やすべきリソースを奪われているのです。
DataRobot は、こうした状況をすべて変えようとしています。世界トップレベルのデータサイエンティストチームを抱える企業として、私たちはデータサイエンティストが日々直面する課題を十分に理解しています。DataRobot Core は、データサイエンティストのために、次のような世界トップレベルの機能やサービスを提供することで、AI Cloud を強化しています。
プラットフォーム
- 多言語に対応し操作性がトップクラスの組み込みノートブック
- コーディング中心のモデル生成とモデルの自動生成をシームレスに組み合わせた Composable ML
- コードを駆使したパイプラインを Apache Spark で構築
- プログラムによる AI Cloud プラットフォーム全体へのアクセスを可能にする、Python および R クライアントによるオープン REST API
- 今日の企業が求める信頼性、ガバナンス、コンプライアンス、スケールの要件に対応
リソース
- アクセラレーター、サードパーティーとの連携、ライブラリの豊富な組み合わせにより、AI の導入を促進して効率を向上
- データサイエンスのスキルを向上させ、データサイエンティストが最先端で活躍するために進化する教育リソース
コミュニティ
- DataRobot の数百人のデータサイエンティストを活用
- データサイエンティストに特化した独自のインサイトと専門知識
- ピアコミュニティで、世界で最も成功した AI プログラムから得られた知識を共有
- DataRobot のイベントでエキスパートレベルの専用プログラムを提供
私たちは、データサイエンティストが必要なツールや言語を柔軟に利用できる環境を提供することで、彼らがすばやく行動し、実験を行い、独自のスキルと創造性を業界が直面する困難な問題の解決に活かせるようにしています。また、ガバナンスが効いている安全なエンタープライズ向けプラットフォーム内で、シームレスな運用ができるようにしています。私たちは、コンプライアンスとガバナンスの機能が組み込まれたシームレスな製品を提供し、既存の IT プロセスやツールで運用や管理ができるようにして、データサイエンティストへの負担をなくすことを目指しています。
同時に、私たちはこの製品をより大きなチームのためのプラットフォームの一部にしたいと考えています。データサイエンティストは独自のニーズを抱えていますが、共通の目標を追いかける多様で幅広いチームの一員であることに変わりはありません。だからこそ、私たちはすべての機能を 1 つのプラットフォーム上に構築しました。また、データサイエンティスト、ビジネスユーザー、ステークホルダー間のコラボレーションを基本コンセプトとしています。
DataRobot Core のプラットフォーム、リソース、コミュニティをぜひお試しください。データサイエンティストがより成功し、ビジネスに素晴らしい結果をもたらすための支援をしたいと考えています
AI クラウドを進化させるリリース 7.3 の新機能
DataRobot Core に加えて、AI Cloud プラットフォームの最新版である DataRobot 7.3 もリリースされています。リリース 7.3 では、あらゆるユーザーを対象とした機能強化を行い、全社的かつ AI ドリブンな意思決定を 1 つのプラットフォームから行えるようになりました。
優れたコーディング機能
共同作業が可能な多言語対応ノートブック、Composable ML、DataRobot パイプラインにより、さまざまなオプションを使ってデータをインポートし、そのデータを Spark SQL で変換して、カスタムブループリントを作成できるようになりました。これらの強力なツールにより、データサイエンティストは、本番環境への明確な道筋を立てて、迅速に実験を行うことができます。
さらに多様なユースケースに対応
DataRobot ではさらに高度なモデリングが可能になりました。画像異常検知でのネイティブサポートや、複数言語に対応する次世代の Text AI によって、より多くのAIユースケースにすぐに取り組めるようになりました。また、クラスタリング、セグメントモデリング、マルチラベル分類などの新機能を利用すれば、データから最大限の情報を簡単に引き出すことができます。どのユースケースでも、開始前にコードを書く必要は一切ありません。
パフォーマンス監視、コンプライアンス、規制対応機能の強化
コンプライアンスドキュメントの自動作成が DataRobot 以外で構築されたモデルにも適用され、すべてのユーザーが規制対応を効率的に行えるようになりました。本番環境にあるすべてのモデルを利用して、チャレンジャーモデルを実稼働モデルと簡単に比較および評価し、ビジネスのピークパフォーマンスを維持するためにモデルを置き換えるべきかどうかを明確に判断できます。
そのほか、バイアスと公平性の監視が強化され、AI ライフサイクルのあらゆる段階で各モデルの公平性を確保できるようになりました。
また、アプリケーションビルダーに時系列のサポートが追加されました。シンプルなドラッグアンドドロップウィジェットを使うだけで、自在にカスタマイズされた AI アプリケーションを時系列モデル上にすばやく構築してデプロイし、時系列の予測値と実測値を比較して各予測の理由を分析できます。
その他の新機能および機能強化
DataRobot リリース 7.3 では、多クラス分類の対応クラス数制限撤廃、スコアリングコードの「予測の説明」への対応、MLOps エージェントの強化、および 80 を超える新機能によって、あらゆる組織が AI の可能性を最大限に引き出すことができます。
新機能および強化機能の一覧については、プラットフォームドキュメントのリリースセンターをご覧いただくか、DataRobot コミュニティにご参加ください。
オンデマンド
DataRobot AIX 22 Japan オンデマンド
AIの可能性を示す基調講演や、業界事例を紹介したお客様講演を多数ご視聴いただけます。
オンデマンドで見る
執筆者について
Nenshad Bardoliwalla(ネンシャッド・バドリワラ)
Chief Product Officer(CPO)
Nenshad Bardoliwalla は DataRobot の最高製品責任者として、製品戦略、製品管理、製品設計、カスタマーエクスペリエンスを全社的に統括しています。Paxata 社で共同創業者兼最高製品責任者を務めた後、2019 年に Paxata 社の買収に伴い DataRobot に入社しました。それ以前は、Hyperion 社および Siebel Systems 社での勤務を経て、SAP 社で企業業績管理向けの製品管理、製品開発、およびテクノロジーを担当するバイスプレジデントを務めました。現在は、家族と共にカリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリアに在住しています。
Nenshad Bardoliwalla(ネンシャッド・バドリワラ) についてもっとくわしく